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ドールハウスはなぜ作られるようになったの?
ドールハウスの世界展の解説から
ドールハウスの起源を探ります
最古のドールハウスは16世紀に貴族が娘に贈ったものと言われています。
初期のドールハウスは自分の家をそっくりそのまま縮小したミニュチュア・ハウスで、「遊び」の道具というよりも、家のなかのたくさんある部屋がどういう使われ方をするのか、その中でどういう立ち居振舞いをするのかを教える「学び」のためのものでした。
ヴィクトリア朝時代は、産業革命によって大きく変化したライフスタイルを象徴するように、中産階級の主婦向けの家政本や雑誌が数多く発行されました。なかでも爆発的な人気を誇ったのが1861年に出版された「ビートン家政本」でした。
この本は、イザベラ・メアリー・ビートンが編集し、夫のサミュエル・ビートンの出版社が発行していた雑誌「英国夫人家庭雑誌」のコラムをもとに構成され、”Mrs.Beeton”という単語は、”an authority on cooking and domestic subjects”、つまり「料理と家庭における支配者」という代名詞になるほど、当時の中産階級の主婦で知らない人はいないほどでした。
急激に変化しつつあった時代の流れに乗った生活慣習についていくには、大変な労力が必要で、特に産業革命をきっかけに富を得て、中産階級入りした人々や、結婚したばかりの女性にとっては、時代にあった家事のマニュアルが必要となりました。
夫の年収にあった家の選び方、使用人の雇い方や料理・掃除の指示だし、ご近所とのお付き合い、家の装飾方法、各部屋でのおもてなしマナーなどなど、この「ビートン家政本」はまさに貴族がドールハウスを通して自女主人となる娘に、おままごととして学ばせていた事柄を、親から学んでいない主婦たちに伝えていったのです。
ドールハウスには、主人や奥様の部屋、
使用人の部屋などたくさんの部屋が精巧に表現されています。
ドールハウスの小物を使ってリネンを変えたり料理をしたり
普段はしない労働をして子供は「遊び」ました。
それは、遊びを超えて自分の住む世界の把握として使ったと考えられます。
上の岡田斗司夫のYoutubeチャンネルでは
ニュルンベルグ博物館のジェントリー階級のドールハウスが
どのように使われたのか、詳しく解説されています。
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